2014年4月18日(金)と19日(土)、2回に渡り日本の生活美をBlue & Whiteで、世界に発信してこられたエイミー加藤女史に、東京都指定名勝・清澄庭園の涼亭で話しをしていただきました。
エイミーさんは日本の藍染文化を現代のライフスタイルに生かす方法を、ユーモアを交えて日本語で力説。1960年代に来日して以来、エイミーさんが大事にしてこられた馬の腹掛けや湯上げ、野良着やおんぶ紐を実際に拝見しながら、日本人が見過ごし、失ってしまった思いやりの形や日本固有の美意識を反映した品々に、参加者は心を奪われました。

日本の文化は自然との共生の中で、如何に季節感を暮らしの中に取り入れ、創意工夫を何世代にもわたり重ねてきたか。それが生活の知恵となり、美意識となりました。職人は自然に敬意を抱きながら身の回りの材料を大事に扱い、日常生活に使用してきました。
講演会場となった清澄庭園は、江戸時代の豪商・紀伊国屋文左衛門のものだと言われています。明治時代になって三 菱財閥の創始者・岩崎弥太郎が買い取り庭園を整備しました。庭園の中央には大きな池があり、その池に浮かぶように設計された数寄屋造りの涼亭。明治期には貴賓を迎えるために使用されました。現在、東京都の名勝に指定されています。水面には青鷺、かもめ、小鳥が優雅に飛び交い、亀はのんびりと日向ぼっこ。
涼亭は都の指定名勝であるため、使用規制が大変厳しい。消防法により、定員は40名と設定され、コンセントが無いため、パワーポイント、スライドの使用は不可。講演会は「紙芝居」形式で画用紙にプリントした写真による解説と、会場に設けたディスプレーで説明しました。

左・凧の腹掛け
ほとんどの参加者が初めて目にする、昭和初期まで日本の生活に密着していた伝統的な藍染め。
右・染め上がったばかりのさらし
講演のためにエイミーさんが青梅市の壺草工房に依頼して準備しました。