2015年3月4日(水)午後6時からルポール麹町ルビーの間で三代桐竹勘十郎氏による講演が行われました。受付には弊協会山岡さんと一緒に理事の勘弥氏が皆様を出迎えて下さいました。

講演前にウェルカム・レセプション。軽い食事を取る皆様。初めてご参加の方、お一人でご参加の方、そして仲間で常連の方々など、和やかに親睦を深めていました

講演前にも関わらず、勘十郎氏もお客さんのお出迎えをして下さいました!
講演では人形遣い勘十郎氏の生い立ちや父への思いといったお話と未公開秘蔵写真の数々を見せていただき、特別な時間となりました。
人形は古くから世界中の国で芸能に取り入れられていますが、「使い方は皆一緒」と語った勘十郎氏。ただし、その役になりきることが重要だと繰り返されました。

人形は古くから世界中の国で芸能に取り入れられていますが、「使い方は皆一緒」と語った勘十郎氏。ただし、その役になりきることが重要だと繰り返されました。
文楽の人形遣いの場合、修行は足遣いから始まるが、「足はしんどいだけで良い事等何も無い」と思っているだけでは長続きしません。勘十郎氏の場合、転機は昭和45年8月24日の文楽夏公演で、いきなり代役として首(かしら)を持たせてもらったことでした。舞台全体の動きと人形遣いの役割に感銘を受けた様子を語られました。
人形には魂があるから怖いと言われますが、文楽の場合バラバラのパーツを組み合わせて「人形をこしらえ」て初めて魂が入る。優しい父親(第二代勘十郎)には多くのことを教えてもらいました。
勘十郎氏は父親が最も大事にしていた検非違使(けびいし)の首(かしら)を持参されました。右の写真は、若かった勘十郎氏が父の検非違使を持って先代勘十郎の一周忌を吉田簑助師匠と姉の三林京子氏(実姉)と思い出を語っています。 その年、吉田簑助は先代勘十郎の追善興行を行うことを決め、演目は先代が得意とされた夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)で、主役の団七九郎兵衛に、若干34歳の簔太郎(現・桐竹勘十郎)が抜擢されました。
勘十郎氏の凄さは尽きない努力と周囲への気遣いにありました。「恩は舞台でしか返せない。どこにいても勉強は出来る;24時間、どこかで舞台と繋がっており、普段のことが貴重な時間である」と語った勘十郎氏に参加者は感銘を受けました。 「還暦を過ぎて何が必要かと言うと体力。それは力ではない。持続です。年とともに人形を遣うのが楽になる。人形はどんなことをしても動くから。」 大変活発な質疑応答を持って特別な夕べはあっという間に終了しました。
弊協会では、文楽にますます親しみを覚え、その芸術の奥深さを楽しんでいただけますことを切に願っています。
皆様のご参加こそが NPO 友情の架け橋の原動力です。
楽しい会にして下さった皆々様に協会一同、心より感謝を申し上げます。
これからも皆様からの活発なご提案やご意見を楽しみにお待ち申し上げております