友情の架け橋音楽国際親善協会
協会発足10周年、NPO設立7年記念
会員特別文化公演
「根付文化とその魅力」
特別講演者: 高円宮妃久子殿下
会 場 : 明治記念館 曙の間
日 程 : 平成27年5月30日(土)
時 間 : 11:00~12:30 御講演
12:50~14:30 懇親会
「根付」 江戸を象徴する美術工芸に根付があります。明治維新の西洋化により、根付の存在価値も急速に失われていきました。明治時代になって多くが海外に流出し、いまや根付は日本より海外で評価されています。現在、日本人が根付について理解している人は少ないと考えます。江戸の豊な生活環境から生まれた根付を広く一般に興味を持ってもらうことは日本の伝統文化・伝統工芸の理解を深めると確信しています。
根付の歴史、芸術性と文化を学問として研究された専門家は日本では稀有です。妃殿下は根付を学問として研究をされ、博士号まで取得されました。学問として追究さるお立場から、また、コレクターとしての情熱について、日本の誇れる伝統工芸・根付についてご講演を賜ります。
「海外に住むと自国に対して知識の乏しさに気づく、とよく申します。私が最初に『根付』に注目したのは英国にいた大学生の頃、大英博物館の展示で出会った時でした。」*
「洗練された美しい日本画や蒔絵、お能のような幽玄の世界とまた違う日本人の感性がユーモアたっぷりに、しかし高い完成度で根付の中に表現されていました。」*
「本来、根付は脇役であり、ぶら下がっている提げ物が主役です。かつて印籠や煙草入れなどの提げ物と根付は対になるよう題材やモチーフを工夫するなど、粋なお洒落がなされていました。」*
*「旅する根付」写真・文 高円宮久子(講談社)より
妃殿下は2007年より大阪芸術大学で教鞭をとっておられ、国際的な視野を育む授業の一環として根付についてのご講義もなさっておられます。また、大学生を中心に新しい根付作品の奨励に、「高円宮殿下記念・根付コンペティション」にご尽力をされており、根付の継承と可能性、発展に寄与していらっしゃいます。本日のご講義で根付についてより深く学ぶことができましたことはとても光栄なことであり、心より深く感謝を申し上げます。
当日は270人もの方々と一緒にご講義を受けることができました。皆、根付という生活に即した貴重な日本の伝統的芸術に胸を熱くしました。