2013年12月14日(土)築地本願寺の講堂にて、和食の巨匠・長嶋博氏より和食の真髄、食の陰と陽についてお話いただきました。
講演の後は着席の懐石料理。皆で長嶋氏のおもてなしの心を堪能しました。
講演会場となった築地本願寺は国の登録有形文化財(2011年に登録)。 現在ある本堂は伊東忠太(1867-1954)の設計により、外観は「インド様式」の石造り、本堂内部は伝統的な真宗寺院の造りという特異な様式で1934年に建造されました。
当協会理事長三村京子によるウェルカム挨拶と司会。当日は師走の忙しい中、100人近い参加があり、大変盛り上がりました。WASHOKU(和食)がUNESCO無形文化遺産に正式登録されて一週間。会員とご家族、ご友人と一緒に初参加の方々も多く、楽しく、優雅な会となりました。また、料理専門家、ソムリエ、茶道の諸先生方など、多彩な方々のご参加もあり、和食の世界的評価に対する期待の大きさを感じました。
長嶋氏の講演は日本料理の事、食の歴史から現代の私たちの食生活まで、広範囲にわたりました。
ユーモアを交えた熱弁が参加者の心をとらえました。
Stacks Image 47168
Stacks Image 47182
日本の食文化は古代中国から伝来した哲理「陰陽五行説」の影響を受けており、陰陽五行の基本を継承しています。陰陽論では、一年の気候の推移を支配するものとして、相反する性質を持つ陰・陽二種の気が万物を生みだす二大要素とみなされていました。五行説では、木(青・緑)、火(紅)、土(黄)、金(白)、水(黒)の五元素によって、自然界のあらゆる現象が発生すると考えられており、その中に「食」もありました。
参加者はメモを取るのに一生懸命。
質疑応答には実に的確な質問が多くあがりました。包丁の陰と陽について語る長嶋氏。
長嶋氏は厚生労働大臣賞、江戸の名工、現代の名工、食生活文化賞金賞、黄綬褒章などを受章された和食界の巨匠。次回は名工の技を、楽しい語りとともに実演をしていただく予定です。
いよいよ長嶋氏の懐石料理。乾杯の音頭はロビー・スウィナトン(ジャパンタイムズ誌フード・ライター)。「日本食について書き始めた30年前、世界は和食を知らなかった。刺身は生の魚としてゲテモノ扱い。繊細で美しい、健康的で美味しい日本食は、今や世界のWASHOKUとなった。この喜びを長嶋氏の料理とともにめでる事ができ、なんとも嬉しい。」
NPO友情の架け橋のための特別メニュー。「まさか着席の懐石料理を味わえるとは思わなかった!」という喜びの声を多くいただきました。
味の確認から、盛り付けの監修まで、今度は裏方で大忙しの長嶋氏。
副料理長・小川氏による懐石料理の解説。器、食材、季節感など、食事はお話とともに日本料理の真髄を極めるものでした。料理の内容は食する者にとって大切なメッセージとなりました。
当日、築地本願寺では和食文化の会のみならず、結婚式など、寺としての行事が多々重なりました。最後に当協会より支配人小川憲一氏に感謝を伝えました。
参加者S氏のお手拭。周辺から歓声があがっていました。
じぇじぇじぇ!
今日でしょう?
うさぎでしょう!
皆様のご参加こそがNPO友情の架け橋の原動力です。
一年の締めくくりにふさわしい、楽しい会にして下さった皆々様に、NPO一同、心より感激、感謝を申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎え下さい。
また来年、お目にかかれますことを心より楽しみにいたしております。